当院では昨年6月から新型コロナ抗体検査を自費検査にて実施しています。当検査は、「過去に新型コロナウイルスに感染していたか」が分かる検査であり、現時点でのコロナ感染の診断をする検査ではないため、正直なところ、有用性に乏しいのではないかと思いつつ、導入しましたが、この1年で多くの反響があり、200人以上の方が検査の特徴を理解された上で、検査を受けられました。また、結果的に、コロナ抗体が陽性であった方の背景を知ることで、私自身も日常の診療において大変参考になり、やってよかったと思っています。

 最近、コロナワクチン接種を受ける判断材料にしたいとのご希望で、検査に来られる方が増えてきました。また、今後はコロナワクチン接種後の効果を知りたいといったご希望も予想されることから、感染だけでなくコロナワクチン接種によっても誘導されるS型抗体の検査を始めることにしました。

 従来の新型コロナ抗体検査(N型)(ロシュ社)も引き続き検査可能ですが、今後のニーズを考えて、これからは、特にご希望がなければS型で検査をさせて頂きます。単純化すると、

新検査 コロナ抗体検査(S型):感染の既往が分かる、ワクチンの効果が分かる

従来検査 コロナ抗体検査(N型):感染の既往が分かる

ということです。

料金は保険適応外で、
検査費用   3300円(結果説明料含む)
検体採取料  1100円
(いずれも税込み)です。従来のN型と同額といたします。

予約制ではありませんので、直接クリニックにお越しください。

【検査の概要】
当院外注検査委託先の日本医学臨床検査研究所にて米国医療機器大手のアボット社の試薬を使用して検査します。この検査は検体中のSARS-CoV-2のスパイク抗体に対するIgG抗体をCLIA法(化学発光免疫測定法)にて定量的に測定する検査です。
結果の判明に約2日程かかります。現在、コロナ抗体検査については多くの検査が出回っていますが、抗体価を測定する精度については、現在、国内で一般的に利用可能な抗体検査の中では、最も信頼できる検査の一つであると考えたため導入することにしました。

長崎大学病院の研究グループが本検査を用いてファイザー社と共同研究しています。

その研究結果のプレスリリースのリンクを貼りますので、興味のある方はご覧ください。

https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/guidance/kouhou/press/file/2021/20210616.pdf