ようやく、4月16日に西宮市にワクチン1箱(975回分相当)が到着したようです。今後は順次、国からワクチンの到着があるものと考えられます。これをうけて、先日、65歳以上の西宮市民の方にワクチン接種券が配送されました。当院でもコロナワクチンの予防接種に協力すべく準備中です。とりあえず、当院では院長と看護師が集団接種(確定している会場は、今のところ山口ホールと塩瀬公民館)への協力に手を挙げました。
 また、当院はサテライト接種会場としても手を挙げており、ワクチンが当院に配給される場合は、適宜お知らせいたします(現在のところ、いつどれだけのワクチンがもらえるのか、全く情報がありません)
 さて、ワクチンについて、患者さんからたまに質問をいただきます。厚生労働省のホームページからよくある質問と回答を抜粋しましたので、接種をうけるかどうかの参考にしてください。
 まだわからないことが多いウイルスに対する、使用経験の乏しいワクチンであり、予防接種を受けるほうが良いのかどうか、確定的なことは言えませんが、現時点での私見(あくまで2021年4月23日現在の院長の個人的見解です)を述べさせていただくと、
① これまでインフルエンザワクチンなどの予防接種で問題のなかった人は、おそらく、予防接種を受けるほうが有利ではないかと考えます。
② 予防接種で良く副反応が出る人や、薬で副作用の出やすい人は、受けない方が良い場合もあるかと思います。受けるかどうかの判断は、コロナウイルスに感染しやすい環境にあるか、感染した場合に自分や周囲に重大な影響を及ぼす可能性があるかなどを考慮して決めれば良いのではないでしょうか。
③ 1回目に副反応が出た場合、2回目はさらに強い副反応が出る可能性があるので、2回目はあえてキャンセルするのも選択肢です。
④ 予防接種を受ければ発症は抑えられるが、感染は抑えられるかどうかは現時点では分からないとのこと。つまり、当面は予防接種後も周囲に感染させない配慮を続ける必要があるようです。
⑤ 上記を検討した結果、私は予防接種を受けることにしました。5月8日に1回目、29日に2回目の予定です。

 

以下、厚生労働省のホームページから抜粋:
Q私は持病を持っていますが、ワクチンを接種することはできますか。
A慢性的な病気のある方もワクチン接種ができる場合が多いですが、病気が悪化しているときには避けた方がよいと考えられます。かかっている病気によっては、接種を慎重に検討した方がよい場合がありますので、かかりつけ医とご相談ください。
慢性的な病気のある方もワクチンを接種できる場合が多く、むしろ、コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが他の⽅よりも⾼いため、優先接種の対象となっている方も多くいらっしゃいます。一方、ワクチン接種は体調のよいときに受けるのが基本ですので、病状が悪化していたり、全身が衰弱している場合は避けた方がよいと考えられます。次のような点を参考にしながら、かかりつけ医とご相談ください。
・⾼⾎圧や糖尿病、喘息、肥満、心筋梗塞、心不全、腎臓の病気などの基礎疾患があっても、ワクチンを接種することができます。新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが他の⽅よりも⾼いため、こうした病気の治療等のために通院・入院されている方は、「基礎疾患を有する者」として優先接種の対象となっています。
・がん、⾻髄移植や臓器移植後、先天性免疫不全、HIVに感染している方などは、一般的に免疫力が低下する傾向にあると考えられます。免疫力が低下している⽅は、かかりつけの医師に接種の可否を相談する必要がありますが、新型コロナウイルスに感染した場合には重症化するリスクが他の⽅よりも⾼いため、他に接種してはいけない理由がなければ、一般的に接種が勧められています。また、「免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む。)」がある⽅は「基礎疾患を有する者」として優先接種の対象となっています。
なお、mRNAワクチンにはウイルスそのものが含まれているわけではないので、免疫が低下していることが原因でワクチン接種によりウイルスに感染することはありません。⼀⽅で、ワクチンの有効性は接種を受ける⽅の免疫応答に依存するため、免疫が低下している⽅では他の⽅よりも予防接種の効果が低い可能性があります。ワクチンを接種した後も引き続き、感染流⾏が続いている間はマスクや⼿洗い、ソーシャルディスタンスを継続することが重要です。
・血友病など血が止まりにくい病気のある方は、筋肉内出血のリスクがあるため、接種後に、接種部位を圧迫していただく必要がありますが、接種は可能です。主治医とご相談をお願いします。
・けいれん発作が起こる方も、けいれん発作状況がよく確認されており、病状と体調が安定していれば、主治医と相談の上、接種することができます。子どもの頃に熱性けいれんを起こしたことのある方も、接種することができます。発熱によってけいれん発作が生じやすい方については、接種後に熱が出た場合の発作予防策や発作時の対策をあらかじめ主治医と相談しましょう。

Q新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか。
A既にコロナウイルスに感染した人も、新型コロナワクチンを接種することができます。
既にコロナウイルスに感染した人も、新型コロナワクチンを接種することができます。
ただし、接種まで一定の期間をおく必要がある場合がありますので、いつから接種できるか不明な場合は、主治医にご確認ください。
なお、事前に感染したかどうかを検査して確認する必要はありません。
(※)米国CDCからは以下のような見解が示されています。
・隔離を中止するための基準が満たされるまで延期する必要がある。
・新型コロナウイルス再感染のリスクは感染後の最初数か月では低く、免疫力の低下により時間とともに増加する可能性があることが示唆されていることから、最近新型コロナウイルス感染症に罹患した人は、必要に応じてワクチン接種を一時的に遅らせることを選択できる。
・加えて、モノクローナル抗体または回復期血漿での治療を受けた場合は、治療から少なくとも90日以降にワクチンを接種することが勧められる。

Q海外では、アレルギーのある人は接種を受けていますか。アレルギーのある人は副反応が起きやすいのですか。
A米国CDCは、過去に新型コロナワクチンに対して重いアレルギー反応を起こした方や、同ワクチンに含まれる成分に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨していません。
米国の疾病予防管理センター(CDC)は、他のワクチンや食べ物に対して、重いアレルギーのある方も、新型コロナワクチンの接種が可能としています。 一方、過去に新型コロナワクチン(mRNAワクチン)に対して、アナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こした方や、同ワクチンに含まれるポリエチレングリコール(PEG、※1)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨していません。PEGに似た構造を持つポリソルベート(※2)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は、以前は禁忌とされていましたが、現在は、専門医による適切な評価と重度の過敏症発症時の十分な対応ができる体制のもとに限り考慮できるとされています(2021年3月3日時点)。
 
(※1、※2)ポリエチレングリコールは、一般に、病院で腸内検査をする際に用いる腸管洗浄剤の主成分であり、また、飲み薬や塗り薬、目薬等の添加物としても用いられます。医薬品以外では、ヘアケア製品や歯磨き粉等の医薬部外品に用いられており、保湿等を目的として化粧品にも含まれています。また、ポリソルベートは、医薬品の他、乳化剤などの食品添加物として様々な食品に用いられています。なお、こちらに記載した製品群以外の製品にも含有されている可能性があるため、ご心配の方はご使用されている製品の成分欄をご確認いただくか、かかりつけの医師にご相談ください。ただし、ポリエチレングリコールやポリソルベートを含む製品が原因でアレルギー反応を起こしても、必ずしもポリエチレングリコールまたはポリソルベートがアレルギー反応の原因とは限りません。
米国では
・重いアレルギー反応を起こしたことがある人や、ワクチンや注射で何らかの即時型アレルギー反応を起こしたことがある人は、ワクチン接種後少なくとも30分間
・それ以外の人は、ワクチン接種後少なくとも15分間
アナフィラキシーなどの有無を観察することが推奨されています。
 
なお、米国において、ファイザー社の新型コロナワクチン接種後に報告されたアナフィラキシーは、2021年1月18日時点で、50例(9,943,247回中)で、100万回あたり5例となっており、74%が接種後15分以内、90%が接種後30分以内に症状が現れています。また、80%にアレルギーの既往があり、24%にはアナフィラキシーの既往があったと報告されています。  
英国では、新型コロナワクチンの接種開始当初、過去にワクチンや薬剤、食品にアナフィラキシーを起こした方には接種しないこととしていましたが、特に制限を行わない米国でのアナフィラキシーのデータを踏まえ、今は、米国同様の取扱としています。