9月7日に医師会の勉強会に参加しました。

 テーマは「予防接種」。講師が名古屋の予防接種センターの先生で、ご自分の集めたデータに基づいた講義でした。基本的に、ワクチンを打てばきちんと抗体が陽性になったことを確認すべき。抗体陽性になっても、感染者に接触しない環境で生活していれば5~20年で陰性化してしまうため、適宜、免疫の持続を確認するか、追加接種を行うべきとのことでした。これは・・・実践するには結構大変なことです。小児の予防接種についてのお話しもあったのですが、成人の予防接種について記憶に残った点をまとめました。

・妊娠を希望している男女は、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘の抗体検査を勧めるとのことでした。西宮市では風疹抗体検査は公費でカバーされますが、その他の検査は自費になるため、例えば当院で全て調べると全額自己負担で1万円ぐらい追加でかかってしまいます。しかし、いずれの抗体も陰性率は意外に高く、それぞれ数人に一人は陰性であるため、どうせ調べるなら、全部調べておいたほうが良いのかもしれません。お金を節約するなら、水痘については母親に聞いて罹患歴が確実なら調べなくて良いかと思います。少なくとも風疹についてはきちんと調べて抗体陰性なら予防接種(当院ではMRワクチン 税込み8800円)を受けましょう。

・50歳以上で推奨されているのが、帯状疱疹ワクチン(当院では税込み7700円)です。効果の持続を考えると、5-7年ごとに注射するべきとのことでした。

・65歳以上では肺炎球菌ワクチンが勧められています。ニューモバックスは公費で補助が出ます(自己負担4000円)。肺炎のすべてを防げるわけではありませんが、頻度の高い疾患であり、重症化すると致命的な病気なので、強くお勧めします。こちらも効果の持続を考えると、5-7年ごとに注射するほうが良いらしいですが、再接種時には公費補助がないので全額自己負担(当院では税込み8800円)になります。それでも打っておいたほうが良いと私は思います。