2025年10月からのコロナワクチン接種について、65歳以上の方についてはおそらく公的支援があるのではないかと考えていますが、現時点では詳細は発表されていません。詳細が分かればホームページでお知らせします。
先週、日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会は合同で、「2025年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」を公開しています。これを要約すると、少なくとも重症化リスクの高い高齢者においてコロナワクチンの予防接種が強く推奨されるということです。重症化リスクの低い人への推奨についても接種した方がよいかもしれませんが、副反応リスク(不確定なデメリット)や接種にかかる自己負担額といった要素を勘案する必要があります。
現時点で日本で使用可能なワクチンはコミナティ(ファイザー)、スパイクバックス(モデルナ)、ヌバキソビッド(武田)、ダイチロナ(第一三共)、コスタイベ(Meiji Seika)の5種あります。ヌバキソビッドは副反応が少ない、コスタイベは効果が長期に持続するといった特徴があるようです。現在当院ではコミナティを使用しています。他のワクチンと比べて明らかな欠点がなく、私も以前から使用している安心感があるからです。
余談ですが、ワクチンの予防効果や副反応に関する議論は常にあります。日本でも江戸時代から200年以上続いている問題で、ワクチンに反対する根拠は、科学的なものから迷信の類まで様々です。先日、アメリカではトランプ大統領が任命したケネディ長官がCDC(米国の予防接種政策の方針を決めている機関)の所長を解任して、CDC幹部を反ワクチン派に入れ替えるなど政治的介入を始めました。これまで科学的根拠に基づいた医療政策を進めていく合理的な政府だと思っていたので、トランプ政権の破壊力に私はびっくりしています。