フットケア外来
フットケア外来は、糖尿病を持つ方が、足の障害を防いで、いつまでもご自身の足を守っていけるよう、看護師がそれぞれの患者さんに適した日々のお手入れ方法を一緒に考え、ご自身でケアできるようにお手伝いさせていただく外来です。
糖尿病患者さんは、魚の目、タコ、足水虫、爪水虫、巻き爪、足の乾燥、ひび割れなどが起こりやすく、重症化しやすいため注意が必要です。そこで、毎日足をよく見て、変化がないか観察することが重要です。特に見落としがちな、足のゆびの間・足の裏を、鏡を使ってチェックしましょう。
また、最近足の外観に以下のような変化はでていませんか?
- 皮膚が赤くなったり腫れたりしている部分がある
- 小さな傷でもなかなか治らない
- 魚の目、タコ、マメ、
あるいは靴ずれがよくできる - 皮膚が乾燥し、
ひび割れしている部分がある - 皮膚がカチカチになっている部分が広がってきた
- 水虫など足の感染症がある
- 足の先がジンジン・ピリピリしたりしびれる
- 足の先に痛みがある
- 足の感覚に異常がある(感覚が鈍い、痛みを感じにくい、ザラザラした感触等)
- 足がつる、あるいは
こむら返りが起こる
上記のような足の変化やお悩みがあるときはご相談下さい。
専門的な研修を受けた看護師が状態を観察し患者さん一人一人の足の状態に応じたケアを行い患者さんとともに合併症の予防をしていきます。
フットケア外来で行っていること
ハイリスクの糖尿病患者さんを対象とし、医師の指示のもとケアを行っていきます。
- ①患者さんと一緒に足の状態を観察します。
- ②容器にお湯をいれて、足浴を行っていきます。
- ③爪を切り、うおのめやタコ、水虫がありそうであれば、医師と連携して対処します。
- ④医師の指示のもと、適切な軟膏を塗り自宅でも手入れが出来るように、また、足の観察方法や爪の切り方などをお伝えしていきます。
- ⑤必要であれば、靴や靴下の選び方もお伝えしていきます。
フットケアはなぜ大切なの?
糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の3大合併症のひとつである神経障害や、動脈硬化などが起こります。動脈硬化は血流障害をおこし、その結果、足にさまざまな異常が出やすくなります。
また、高血糖の状態は身体の抵抗力を落とすため、細菌感染がおこりやすくなります。
さらに、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症などにより視力が低下してくると、傷などの足の変化に気づきにくく、放置したまま足潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)などの重大な病変(糖尿病足病変)に進行してしまうことがあります。
大切な足を守るためには、血糖値を良好にコントロールするとともに、ご自身の日々のお手入れ(フットケア)がカギになります。ご自身の足の状態を知り、その状態に合わせた方法で手入れをしていくことが大切です。
普段から足に傷を作らないよう細心の注意をはらい、毎日よく足を観察して、ケアを行うことで糖尿病足病変を予防することができます。
フットケア外来のご紹介
- 外来日
毎週月曜日 9:00から11:30 - 予約
完全予約制 1人30分 - 予約方法
初回は医師の診察が必要 - 費用
糖尿病合併症管理料算定のため保険診療で行います。 - 対象患者
当院通院中の糖尿病患者さんで下記の診断がなされている方
糖尿病性神経障害
足の感覚が鈍くなり、痛みを感じにくいため、ケガややけどなど、足の異常に気づきにくくなり、放置してしまいがちになります。また、足や足の指に変形が起こり、タコや靴擦れができやすくなります。
閉塞性動脈硬化症
下肢や足趾を切断したことがある方
足の潰瘍治療歴のある方
血流障害
動脈硬化などで足の血流が悪くなると、傷を治すために必要な血液や酸素が行き渡らず、傷が治りにくくなり、潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)まで進んでしまうことがあります。
抵抗力の低下
身体の抵抗力が低下し、細菌に感染しやすくなったり、傷口が化膿しやすくなったりします。